なぜ走る? 文化系レベルランニング

東京マラソン2010にたまたま当選してしまった「読書が趣味」の文化系人間。 それ以来、50歳を過ぎた今も、なぜか走り続けています。 走ることにどんな意味があるのか? 「からだ」「こころ」「グッズ」「レース」「本」などから、走ることについて考える、ランニングブログです。

カテゴリ:マラソン大会 > ジュビロ磐田マラソン

今年もまた参加しました。ジュビロ磐田マラソン(ハーフ、2018年11月18日開催)です。

そして今年もまた、私のレースの様子を書いてみたいと思います。

会場到着

この日は曇り予報でしたが、思っていたよりも晴れていてまた暑くなる心配がありました。

会場駐車場到着は7時半。Jリーグのジュビロ磐田の本拠地「ヤマハスタジアム」周辺にはたくさんの駐車場が用意されています。私が到着した後からぞくぞくと車がやってきます。

今年もまた来たジュビロマラソン。ヤマハスタジアムが何となく感慨深い。

今回は参加賞に「磐田の銘菓」の詰め合わせが登場。「Tシャツ」、「バスタオル」、「チャリティ」「地元野菜詰め合わせ」につづく5品目。運営の皆さんの工夫がいいですね。
Tシャツもタオルも家にたまり過ぎていて段ボール箱いっぱいですから・・・

私はもちろん「銘菓」でした。地元磐田の和菓子と洋菓子、合わせて5点ほど入っていました。

2つの疲れを引きずっている?

個人的なことですが、今回のジュビロマラソンは体調が最悪。
それは2つのことが原因でした。

まず、先日の「しまだ大井川マラソン」で暑さにやられて以来、胃腸の調子がイマイチ
次に、1週間ほど前から仕事が忙しくなってしまいストレスで寝不足。

身体がだるくて、やる気がほとんどありませんでした。
「ハーフ部門」のスタートは9:20ですが、8:50まで車にいてグダグダしていまい、ようやく降りるとお腹の調子が・・・トイレに行っても何となく胃腸がさえません。

こんな風ですから、テンションはまったく上がらず。おまけにGPSウォッチも忘れていたことに気づきほとんど放心状態でした。

棄権しようかとも思いました。しかし、会場でランナー仲間と会って話すうちに、そのまま列に並んでしまいました。

唯一の救いは、晴れてはいても雲が多く、気温もそんなに上がっていないことでした。

スタート~12km

9:20号砲。いよいよハーフマラソンがスタート。GPS時計がないから、計測ボタンを押す必要もない。
「ああ、楽ちん」
いやいや、これから21km走るんですから、気持ちはそれほど楽なわけないんですけど。

スタート直後は、まあまあのペースだったような気がします。
時計がないから、まわりの人のゼッケンを手掛かりに自分のペースを推測
うーん、キロ4分半くらいでしょうか。

2kmくらいまでは、最初の勢いで走っていました。寝不足気味だけど「何とかいけるもしれない」、と。

しかし、3kmくらいになるとスタートの興奮状態も収まり、自分の体調が理解できるようになってきました。そして、私は何を理解したかといいますと。
それは、「胃が気持ち悪い・・・」
ということでした。

ああ、この気持ち悪さは「島田マラソンのアレと同じだ・・・」(詳しくはこちらを)。
スタート3kmでまさかアレを味わうこととなるとは思いもよりませんでした。
そして、だんだんと周りのペースについていけなくなり、ゼッケン300番~800番ぐらいのひと達から500番~1300番くらいになっていきます。

後ろから来たランナーたちにじわじわと追い抜かれていく。
「この体調でなければ、きさまらなど蹴散らしてやるのに」などと、心で言いながら自分をふるいたたせました
しかし、次第に、神様に自分の悪行を懺悔したいような気持になっていきます。
「なぜ私はこんなに苦しむのでしょうか。神様どうぞお許しください」

そして、胃のムカムカがかなり増してきたため、さらにペースを落としました。

途中の7kmのエイドはパス。飲めません。
11kmのJAメロンもパス。食べられません。

頭をよぎるのは、リタイアです。

「もうやめてもいいですか、神様?」

でも、リタイアしても回収バスがいつ来てくれるのかわかりません。
午後は仕事する予定があり、のろのろしているわけにはいきません。ペースを落としても完走しようと心に決意。12km地点でした。

12km~15km

12kmを過ぎれば、残りは9km。ここから進行方向が南から北に変わります。つまり、スタート地点のスタジアムに帰る方向になるので、心理的に楽になります。

表示をみる度に1kmずつ、残りの距離が減っていきます。ゴールまでのカウントダウンが始まるのです。

そして13kmを過ぎたころでした。
後から息の荒い兄さんがきて、私をぶち抜いて行きました。

兄さんの息の荒さがすごい。しかも時々ペースを上げてはだんだん下げ、また急に上げてはだんだん下げるという走りを繰り返します。抜くならさっさと抜いて消えてくれればよいのですが、こちらが追いつくとまたペースを上げて、抜き去っていくのです。

いきなり心理戦を挑まれたのでしょうか?(笑)
めんどくさい奴だと思いつつ走っていましたが、14kmを過ぎると胃のムカムカがだいぶ落ち着いていることがわかりました。

兄さんが何度も私を抜き去るので、今度はこちらが抜き去って突き放してやろうという気になってきました。だいたいそんな荒い息でペース上げ下げしてす最後までもつわけがないのです。
「この兄さんだけは何とか仕留めたい」と思いました。

15km付近でゼエゼエいう兄さんの横に追いつくと、彼はまたペースを上げました。また前に出るつもりです。
覚悟を決めた私はここはもう引き下がりません。彼のペースにつき合うことにしました。

今回は私が食い下がったので彼はもうペースを落としません。同じ速いペースのまま私が並走すると兄さんは明らかにこちらを意識しています。私は表情を変えず、そのままのペースでゼエゼエいう兄さんと並走。

そして、レースは終盤戦に向かうのでした。

15km~ゴール

運命の15km地点。ここから川の堤防になります。

今年は強風もありません。その代わり、ゼエゼエ兄さんの荒い息づかいが、私が立ち向かう相手となりました。

彼と並走する私はペースを上げていましたが、そんなに苦しくありません。
「意外といける???」
どうやら胃のムカムカが収まっていたのです。
胃腸がよくなると、もう心配はありません。

そのままのペースで走りつづけると、ゼエゼエ兄さんの息がさらに荒くなっています。
しばらくすると、バテてきたらしく遅れがちになってきました。少しずつ後退してはまた私に追いついてくる、ということを数回繰り返し、17km付近で消えていきました。

ゼエゼエ兄さん、なかなかのチャレンジでした。
「根性だけは認めてやるぜ。来年また相手になってやるよ」
そんな気持ちでした。すっかり調子づいてます。
前半は神さまに祈るほど苦しかったのに、終盤になると自分が神(笑)

残り4km。ここからは同じペースでどこまで押せるかです。
途中で抜かれた女の子などもパスして、この後はほとんど抜かれることもなく。
むしろ終盤でばてたランナーたちを次々にぬいていくことができました。

そして、19kmを過ぎてジュビロマラソンの名物の最後の登り坂。ここでもそんなにペースが落ちることはありませんでした(それなりにキツイですけど)。

前回お伝えしましたが、足先と内転筋の神経回路はまだつながっています。両脚のどこにも痛みはありません。10日前に転んだ傷が残っていて、絆創膏がうっとおしいだけ。

残り1km。周りのランナーもラストスパートをかけているので、私も真似してスパート。
会場の敷地に入り、最後のあがき。ここからは数人抜いて、最後の直線をダッシュでゴール!

まとめ

完走の感想は「無事完走できて良かった」でした。

記録は1時間36分
この大会はいつも1時間38分くらいでした。
序盤で気持ち悪かった割には、悪くない記録です。

時計なしで頑張ったのがよかったのかもしれません。途中のゼエゼエ兄さんの仕掛けにも、闘志がわいて助けられました。
しかし何より、今年は気温が低く感じました。暑いのが苦手な私としては助かりました。

走り終えると、ゼッケンに付いている「いわたおもてなしクーポン券」100円×3枚を使って、イベント会場で唐揚げを食べて帰りました。ハーフマラソンを完走したすぐ後で唐揚げが食べられるほどの回復ぶりです。

「朝の気持ち悪さは一体何だったのだろうか?」

こんな疑問を抱きながら会場を後にした私でした。

ケガがようやく治り、先週末から走れるようになりました。
11月3日からの3連休は外を走り、計50km。その後の平日はトレッドミルに乗って毎日10km走り、今月の走行距離は、11月13日現在すでに130kmに達しました。
こうして、距離的には完全復活をとげた私は、先週末のジュビロ磐田マラソンに参加することができました。
今回は、レースの様子をご報告します。


ついに今シーズンの初戦

前回の記事で書きましたが、10月29日に開催された大雨の「しまだ大井川マラソン2017」は、私は棄権しました。この島田マラソンが今シーズン初戦となるはずでしたが、ケガのために計画が完全に狂いました。

ようやくケガが治り、ランニングを再開して1週間。
ジュビロマラソンまでに走り込んだ距離は100km近くですが、脚力の回復に自信があったわけではありません。
完走はできそうな感触はありましたが、レース参加は半年ぶり。
とりあえず今回の最低限の目標は「完走」と決めて、出場することにしました。
何はともあれ、走れてよかった。


レース前夜のシューズ選び

レース前夜、遠州地方には強風が吹き荒れていました。
床についてからは、うなる風音に翌日が不安になりましたが、意外とすぐに眠れました。
ケガで精神が鍛えられたのかもしれません。

悩んだのはシューズです。
今までは、ウェーブエンペラーとターサージールが、ハーフマラソンの定番でした。
しかし、今回はケガ明けのレース。脚の状態は、これまでと同じではありません。
練習不足もあるため、そこそこ安定していてクッション性もある2種類を考えました。

ウェーブエンペラーTRライトレーサーTS5です。

クッション性は、ライトレーサーTS5の方がウェーブエンペラーTRよりもあります。しかし、TS5はサイズがやや大きいため、レース中の靴擦れが心配でした。今回はハーフマラソンということもあり、キロ4分でもしっかり走れるウェーブエンペラーTRを使用することに決めました。


レース当日、朝

いよいよレース当日、朝は5時に起きました。
思えば、前回参加したレースは、3月末の豊橋ハーフマラソン2017です。すでに半年以上レースに出ていません・・・
時間とは怖いもので、レース当日朝に「何をしたらよいかわからない!?」という状態におちいりました(笑)

ハーフマラソンの場合は、レース前の食事やレース中のサプリなどには、そんなに気をつかう必要がありません。しかし、あまりにも長くレースから遠ざかっていたため、持ち物に迷って時間がかかり、自宅出発の予定時刻を過ぎてしまいました。

焦って家を出て、自転車を立ちこぎして仲間との集合場所に到着。彼の車に乗せてもらい、会場となる磐田市のヤマハスタジアムを目指しました。


スタート前は不安がいっぱい

現地には、予定の時間の7時30分に到着。
まずは参加賞を引き換えにいき、車に戻って着替えをしました。

マラソン大会では、車があるととても便利です。温かい車内で着替えや時間待ちをすることができます。ただし、すべてのマラソン大会に駐車場があるわけではありません。今回は、すでに何度も参加して、勝手をよく知る地元の大会なので、十分に車を活用することができたというわけです。

ハーフマラソンのスタート時間は、9時20分
着替えを済ませて、8時半ごろ軽くアップをしながらトイレに行きました。
久しぶりのレースはたとえハーフマラソンであっても緊張します。

走り込み不足によるスタミナ切れや、治ったばかりのケガのトラブルも心配になりました。
さらには、靴ひもの締め具合までも気になり・・・
ケガによる休養明けのレースは不安がいっぱいです(笑)


そして、スタート!

スタートの15分ほど前にスタート地点に向かいました。
私は申告タイムを1時間30分としていたため、スタートはAグループでした。
ランナーを見渡すと、Aグループは皆さん立派なふくらはぎをお持ちです。
何というか、屈強な戦士です。
さらに自信を失くした私は、Aグループの最後尾に並びました。

並んでいると、どこからか時計のデジタル音が・・・。
ハッ、と気づいてランニングウォッチのボタンを押しました。
昔はスイッチを入れ忘れて、スタートにGPSが間に合わなかったなんてこともよくありました。最近はGPSのスイッチには慣れていたつもりだったのですが、半年のブランクとは恐ろしいものです。

そして9時20分号砲。ランナーは一斉にスタートしました。
私は周りの走りにつられて動き出したものの、完走できるか不安もピークに達していました。


START~5km

ペースはキロ5分、ゴールタイム1時間45分を目安にして走り出しました。
ケガからの復帰第一戦。久しぶりのレースです。オジサンなりにちょっと感動しました。

しばらく走ると、のんびりランナーたちに遭遇し、行く手を何度もブロックされました。
のんびりランナーをかわすうちに、少しずつ闘争心が目覚めてきます。
1km地点のタイムは4分30秒
当初予定していたキロ5分ペースと比べると、ずいぶん早いペースです。
少し落ち着こうと、キロ4分40秒ぐらいまで落とすことにしました。

ジュビロマラソンのコースは、3kmまでは小さなアップダウンがけっこうあります。
上り坂は、走り込み不足でけっこうキツイ
下り坂は、ケガをしていた右足指への衝撃が気になる

同じペースで4km地点を通過すると、段々と身体が重くなってきます。
そして、5km地点を通過するとハッキリと認識しました。

「今日はペースが上がらない!」


5km~11km

5kmを過ぎてからは、ペースが自然とキロ4分44秒まで落ちました
もう少し上げれたかもしれませんが、残りの16kmを考えるとそれ以上速く走る気は起きません。
それに、やはり身体が重い
正直なところ、ハーフマラソンで10km走らないうちにこんなに疲れたのは、何年前になるのか覚えていないほどでした。

普段なら、だいたい同じペースのひとを探して付いていきます。
しかし、今回は周りをみる余裕がほとんどありませんでした。

シューズは快調でした。
4分44秒では足にもあまり負担がかからないらしく、靴擦れの兆候もありません。
さすがはウェーブエンペラーTR、安定感があります

そんなこんなで、ずっと同じペースで11kmすぎのJA給水ポイントまでたどりつき、この大会の名物のひとつとなっている磐田産ライオンメロン(←強そう)をいただきました。(甘くて美味しかったです。ありがとうございます)ちなみに、このメロンは数量限定で、私の知り合いが通過したときにはすでに「売り切れ」状態だったそうです。今年食べられなかった人は、来年食べられるように頑張って練習しましょう。モチベーションになりますね。


11km~19km

メロンをいただいた後は、残り半分を同じペースで走り切ろうとがんばりました。
身体は疲れを感じてきましたが、幸い気温が例年よりも低く、脱水でバテてしまうということはありません。

ジュビロマラソン名物の幼稚園児たちと「ロータッチ」(ハイタッチのこと)は、例年けっこう楽しく行うのですが、今年ばかりはまったく余裕がないので、子供たちに視線を向けもせずに鉄面皮で走り抜けました。ちびっ子たち、ごめん。

途中、太陽が顔を出し、気温も少し高くなったので、どうなるかと思いましたが、身体の方は異常ないし。
そして、JRの高架をくぐり、左に曲がると残りは約2km
何とかこのまま行けそう、と少し気が楽になりました。


19km~20km

しかし!、最後の2kmで安心してはいけないのが、このジュビロマラソン。
ここから、のぼり坂が始まるのです。

それまでフラットなところをずっと4分44秒で走ってきました。
正直なところ、後半はペースを維持するためにすこし無理をしていました。
そんな状態で、実際に坂を見た時の気持ちを表すとするなら、地獄!」です。
「ケガから復帰したばかりの自分を、レース終盤になぜこんなに登らせるのか」と恨み節を心でつぶやきました。もちろん私のケガから復帰第一戦のことなど、主催者が知る由もありません。

この坂は確かにつらい。しかし、残りは2km切っている。
残り2kmということは、あと少し頑張れば終わり。ハーフマラソン以上の距離のどんな大会でも、残り2kmを過ぎると勇気が出てきます。
このアメとムチの葛藤がこの大会の19kmからののぼり坂の特色です。

さて、坂道を走ると、とにかくツライ
今まで何度となくこの坂を上りましたが、今年がこれまでで一番キツイ。
今年は坂道練習ができませんでした。いつもの坂道練習がいかに効果的であったのかがよくわかりました。(のぼり坂が苦手のランナーの皆さん、坂道を上る練習をすれば必ず克服できますので、頑張って登りの練習をしましょう)

そんなに長い坂道ではないのですが、登り切ると息はゼエゼエ。
それでもなんとかペースを落とさないように頑張りました。
忍耐です。まわりのランナーは誰も歩いていません。
修行です。まわりのランナーは普段から厳しい修行を積んでいるのかもしれません(私は修行をさぼりました)。


1km~GOAL!

そして、残り1km
みんな考えることは同じ。
少しでもタイムを縮め、少しでも早くゴールしようと必死の形相になります。
ひたすら、ひたすら、脚を動かします。
やっとのことで、会場にたどりつくと、大きな声援が聞こえてます。
無事帰ってこれた・・・

最後の直線は脚が全然前に出ませんでしたが、100m走をしている気持ちで走りゴールラインをかけぬけました。

記録は1時間40分。


まとめ

復帰第一戦、そしてシーズン初戦となったジュビロマラソンはこうして無事完走となりました。
ケガによる練習不足の影響は思ったよりも大きく、身体が重く感じて仕方がありませんでした。
キロ4分44秒というのは、フルマラソンのペースです。
静岡マラソン2017」では、だいたい同じくらいのペースで42.195kmを走り切ったのかと思うと、ちょっと目まいがしてきました。
2月の自分はすごかった。ちょっと尊敬しています。
1日も早く、同じ状態までコンディションを上げるよう走り込みたいと思います!

ちなみに、ジュビロマラソンでは今年も300円分のお買い物クーポン券がついていて、これを利用して今回は「わらびもち」を買って食べました。冷たくて、美味しかったです。

次のロードレースは、「袋井クラウンメロンマラソン2017」。こちらはフルマラソンです(2016年の記事はこちら)。また不安な気持ちになりそうです。

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