なぜ走る? 文化系レベルランニング

東京マラソン2010にたまたま当選してしまった「読書が趣味」の文化系人間。 それ以来、50歳を過ぎた今も、なぜか走り続けています。 走ることにどんな意味があるのか? 「からだ」「こころ」「グッズ」「レース」「本」などから、走ることについて考える、ランニングブログです。

カテゴリ: 身体・健康・ケア

前回の記事でお伝えしましたが、「はままつアスリートフェスティバル」で小学生の走りを見てきました。

小学生の走り

小学生は低学年から高学年と年齢が開いているので、体格にも成長にも差があります。また、男女でも体つきに違いがあるでしょう。

皆さんの走りを見学させてもらい気づいたのは、「小学生はだいたい身長が高いほど速い」ということでした。
(もちろん「走るイベント」に来る小学生ですから、肥満の子はいないという前提があります)

身長差以外で、速い子の特徴を見つけようとちびっ子たちの走りを観察してみましたが、すでに書いた通り、フォームが良ければ速いというわけではないというのが私の実感でした。

素人目に見て、身体ぶれていないかどうかが判断基準でしたが、少なくとも小学生に関してはそういうものが大きな問題ではないとわかりました。

駅伝の大学生の走り

フォームといえば、アスリートフェスティバルの翌日に行われた「第50回全日本大学駅伝」を見た時にも同じ印象を持ちました。

それは第7区を走った青山学院大学のエース森田選手の姿でした。
森田選手の足先は、足首から外側にかなり開いています。他の選手と比べるとよくわかります。

私は足が痛くなるタイプなので、これで最後まで足が持つのだろうかと心配になります。

ところが、さすがはエース区間を任される選手。前を走る東海大の選手を抜き去って、1位でタスキを渡しました。タイムは区間2位、日本人選手では区間1位です(第7区区間成績)。

短距離の小学生と、長距離の大学生を単純に比べてしまうのは問題があるかもしれません。それでも、「フォームが良ければ速い」とは必ずしも言えないという思いを強くしました。

フォームが良けれは速いというわけではない。

大舞台で活躍を目指すような「速いランナーたち」は、毎日練習し、いろんな工夫を重ねて、自分に一番合った走りを選んだ結果、個性的なフォームになっているはずです。

きれいなフォームもまたそのランナーの個性で、きれいに走るのがその人の個性に合っているでしょう。

ランニングを始めたばかりの素人に関して

ところで、私のように30歳代の後半からマラソンを始めたようなランナー、つまり素人には、走り方の修正は大きな効果があります。骨盤の前傾、足の開き、猫背など、意識して改善に取り組めば、走るときの痛みが和らいだり楽になったりします。

私はランニングを始めて数年は腸脛靭帯炎に悩まされましたが、ガニ股を直してからは治りました。

素人レベルのランナーは、そういう改善を重ねることで、走るときの見た目のフォームも美しくなっていくはずです。

たとえば、痛みが原因で腰を曲げて歩いている人がいるとする。治療の結果、腰を曲げずに歩けるようになったとしたら、その人の歩く姿勢(フォーム)は良くなったと感じることでしょう。それと同じことです。

走るときの欠点を直していくことで、走りやすくなり、フォームも良くなるということです。

「骨盤の前傾」、「肩甲骨を寄せる」、「アゴを引く」といった基本的動作は、万人に当てはまるような「理想的なフォーム」を目指すための大きな修正ポイントです。短所をなくすことで走りが快適になる素人レベルの時には大いに参考にしたいところです。

しかし、熟練して欠点を直して一定のレベルに達したランナーなら、自分の身体と対話して個性を伸ばす走りにすることが大切ではないか?

「標準的」から「個性的」な走りへ

小学生たちの走りは様々でした。その違いは持って生まれた体の違いが大きい。
大きい子も小さい子、メガネの子、手足の長い子、頭が大きい子。いろんな子がいます。

低学年の子は見様見真似で走っている子もたくさんいます。
難しいことは考えず、足を前に出して進む。小さい子がしているのはそれだけ。

シンプルだから、自分の体型にあわせた走りに自然になります
当然、走り方も子どもによって違ってきます。

もし走ることに慣れて一定レベルに達したなら、一度子どもの走りを見て基本に戻ることをおすすめします。大人でもそれぞれの体型や体質にあった走りを考える機会となるからです。

もちろん、それぞれの欠点を直すことをやめることはありません。
しかし、あるレベルに達すれば、修正ポイントも重箱の隅をつつくような細かいものになり、たとえ直しても、リターンが小さい。

基本が一通り身について、さらに上を目指すのなら、短所を消していくのではなく、各個人が自分の身体の特徴を知り、長所を見つけて伸ばしていくやり方をおすすめしたい。それぞれの子供にある個性は、大人になってからも消えることはないからです。

短所を消していくうちにみんな同じような「理想的なフォーム」に近づきますが、それは「標準的」でしかないです。標準を超えていくためには、自分の個性を見つけて、そこを伸ばす。

伸ばした結果が標準を外れるならば、そこにこそ他のひととは違う自分自身の価値が発見されるのです。

自分に一番あったフォームを発見し、最高のパフォーマンスを出すことの方が恐らくメリットが大きい。森田選手の開いた足首は、自分の走りを突き詰めた結果であるのでしょう。




ランナーの皆さんは、1日にどのくらい椅子に座っているでしょうか?
座り過ぎのひとは、ご注意ください。
「座っている時間が長ければ長いほど健康に悪い」という実験結果があるからです。


この本では「1時間座ると22分寿命が縮む」という説も紹介されています。
(大げさな気がしますが、計算するとそうなるのでしょう)

こんな記事もあります。

昔の私は慢性の肩こり持ち

私はかつて一日8時間、長い時には12時間以上椅子に座っていました。仕事や読書、パソコン、テレビなどで座りっぱなし。
マラソンを始める前は運動もせず、肩こりがひどくなると首回りがカチカチ。薬に頼って、肩からツンとした臭いを漂わせていたので、「おじいさんの臭いがする」とからかわれたものです。

マラソンを始めたのは8年前。そこから体に興味を持つようになって段々と肩こりは軽くなってきました。やっぱり身体を動かすことが基本ですね。

立ち机導入

座り過ぎが肩こりだけなく、病気の原因にもなると知ってからは、よく立ちあがるようにしていました。
しかし、それでも長時間の椅子は肩こりがしてきて調子が悪い。何かよい方法はないかと考えた結果、思いつきました。立って作業すればよいのではないか、と。

当たり前ですが、「立ったとき」の姿勢は、「座ったとき」よりも「走ったとき」の姿勢に似ています。また、フルマラソンでは市民ランナーは3時間や6時間ぐらいは平気で座りません(笑)。

「マラソンで4時間以上座らないなら、同じ時間立ち続けることもできる。立っていることも楽かもしれない」

しかも、私の場合、ヨガや筋トレで体幹も少しは鍛ているから身体はまあまあ真っ直ぐ。立ったまま作業することに抵抗はありませんでした。

そして、先日ついに立ち机(スタンディングデスク)を導入したのです。

「立ち机」意外といける!

使い始めた頃は、膝から下の部分が重く、むくんだようになりました。
しかし、立っているメリットは脚を動かせることです。気づいたときにかかとの上げ下げを行うと、むくみも改善しました。

2週間も使うと脚の筋肉がついてきて、立った姿勢も安定してきます。つまり、いい感じの姿勢が自分でもわかってきて、3時間くらいは座らなくても平気になります。(立ち姿勢、サブ3くらいではまだまだです!)

そして、ときどき椅子に座り休憩。「椅子ってなんて楽なんだろう」とその有りがたみが、よ~くわかるようになります。

立ち机オススメです

走ることも、ずっと立っていることもけっこう疲れます。それが常識です。
だから比べると「座る方が楽」なのですが、その「楽なはずの姿勢」もずっととっていると肩こりなどで余計に疲れてしまう。
脚の血行はつま先立ち運動で解消できますが、肩こりは簡単には治りません。
しかも、足が強くなって、走るのも楽になりますし(そんな気がします)、立っている方が断然眠くなりにくいです。

正しく立つことのコツさえつかめば、いろんなメリットがあります。
立ち机を使ってみてはいかがでしょうか?




私が使っているのはこちら↓

「足置き」が気に入ってます。
高さは1mです。
身長により、合わないこともありますのでご注意ください!


楽天



アマゾンにはこちらもあり迷いました↓
同じく高さ1m。奥行きが少し広いです。


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今シーズン初めての屋外走り込みスタート

今年の夏は暑かったですね。暑さに負けて、完全に走り込み不足(「今年もまた」ですが・・・)。
その代わりと言ってはなんですが、夏の間は身体のバランスのケアに努め、ヨガを中心に体幹などを鍛えていました。

外を走り出したのが3週間ほど前。週末に20kmほど走って、シーズン開始の走り込みをスタートしました。
フラットな道をキロ5.5~6分くらいで走り、しんどかったものの何とか完走。身体がなまっていたとはいえ、それなりに走れてひと安心。

夏の間も一応、トレッドミルで1日おきぐらいで5~10kmほどは走っていましたし、ヨガでバランスが良くなったせいか筋肉痛もそれ程でもない。これからの週末に走り込めば何とか自己ベストをねらえるところまでもっていけそうな気分でした。


足の裏に違和感

屋外練習に続くその翌日は、トレッドミルでキロ4分のインターバルトレーニング。今シーズン初レース「しまだ大井川マラソン2018」(10月28日開催)に向けて気合いを入れました。

しかし、それなりに走れて安心したのもつかの間、その次の夜にジムに行き、再び足を鍛えるべくトレッドミルに乗ると何やら足の裏に違和感を感じるではありませんか。
ペースを落としても、足の裏、土踏まずの部分が痛い。明らかに「足底腱膜」から痛みがきます。
それでも歩くだけなら痛むこともなかったので、しばらく歩いてからこの日のトレーニングを終えました。


足底腱膜炎確定!

そして翌朝、家の中を普通に歩くだけで足の裏が痛む。
「ナニコレ?」
もんだりさすったりしましたが、良くなる気配はありません。
どうやら足底腱膜炎になってしまったようです。
今シーズンの本格練習を始めて3日目の朝、シーズンのスタートとともにケガが確定!

いやあ、とても幸先の悪いスタートですね。とりあえず、痛みがなくなるまであまり負荷がかからないように過ごすことにしました。


足底腱膜とは?

ところで、足底腱膜とはなんでしょうか?ウィキペディアにはこのような説明があります。

足の裏には、足底筋膜と呼ばれる、膜のように薄く幅広い腱が、かかとの骨から足指の付け根まで張っている。足の甲の骨は、弓状(アーチ)になって体重を支えているが、アーチを弓の弦のようにピンと張って支えているのが、足底筋膜である
『「足底腱膜炎」ウィキペディア

ネットで検索すると画像も出てきますが、踵(かかと)から白い腱膜というものが足の5本の指のつけ根に向けて途中枝分かれしてつながっています。(枝分かれしているのが意外でした)

この足底腱膜というのが、長時間のランニングなどで酷使されると傷がついて炎症を起こすというのが、足底腱膜炎(筋膜炎ともいう)です。
偏平足のひとなんかもなりやすいそうです。

さらに、私の年齢的には次のような気になる説明もありました。
丈夫な足底筋膜も、歩行やランニング、ジャンプで使いすぎたり四十歳代以降になると、古いゴム管のようにひびが入り、炎症を起こす。それが痛みの原因となる
『「足底腱膜炎」ウィキペディア
「四十歳代以降になると、古いゴム管のようにひびが入り」というこの部分は心に響きました。
古いゴム管・・・(笑)


今回のケガの原因について

まあ私も40代の後半です。古いゴム管状態の足底腱膜ではちょっと走って炎症を起こすのも無理はありません。
しかし、それだけが理由ではないでしょう。思い当たるの原因が2つあります。

ひとつは、ストレッチ不足。最近は忙しく、時間が惜しいので、走った後のストレッチを省略していました。するとしないとではかなり違うことを私自身実感しているので、やはりずるしてはいけないと反省しました。

ふたつ目は、足の動きとバランスです。この夏は身体のバランスを整えるためのトレーニングに励みましたが、その新しいバランスに身体が馴染んでいないようです。ヨガを始めてから、身体の左右のアンバランスに気づきましが、もともと弱い右足を左足でカバーしていたものを、無理やり左右同じにしたために、弱い右足に負担がかかったようです。

左右のバランスはできる限り直したいところですが、やり方が良くなかった様子。今後は、少しずつ時間をかけて直していく予定です。

今シーズンの目標もまた「自己ベスト更新」でしたが、どうも怪しい雰囲気になってきました。
来週末の「しまだ大井川マラソン」はいきなりのフルマラソン。とりあえず現在は、痛みも無くなりましたが、不安はあります。ケガを悪化させないようゆっくり走る予定ですが、リタイアの可能性も・・・
幸先悪いスタートですねぇ・・・

ここ数日、日本には寒波が押し寄せて、雪国だけではなく東京でも大変なことになっているようです。
インフルエンザも全国的に流行している様子。
前に風邪について書きましたが、ランナーの皆さんの調子はどんなものでしょうか?

私は、前回ご報告した横田基地の「フロストバイトロードレース2018」は、風邪も引かずに参加でき、無事完走することができました。
欠場したその前のレース「袋井マラソン2017」の反省を生かし、風邪対策を十分したことがよかったのではないかと思っています。

今回もまた風邪関連のトピックで、ランナーの免疫力について書てみたいと思います。


免疫とはなにか?

私たちはよく免疫力が落ちると病気にかかりやすいなどと言いますが、「免疫」とはいったいなんでしょうか?

人体にはまず、細菌やウイルスなどの病原体が体内に侵入するのを防ぐ防御壁である皮膚や粘膜があります。
この防御壁を乗り超えてきた病原体を、体内で攻撃するのが「免疫」で、「自然免疫」と「獲得免疫」があります。


●自然免疫
自然免疫は人体に生まれつき備わっている免疫です。病原体が入ってくると「白血球(NK細胞など)」が反応し、どんな病原体でも相手を選ばず攻撃します。
これが免疫の第一段階みたいなもので、とりあえず侵入してきた異物は取り除くといったものでしょうか。

●獲得免疫
自然免疫をすり抜けてきた病原体に対する免疫で、こちらが第二段階。
抗体」や「白血球の一種のT細胞」などが働きます。ひとつの抗体は、ある病原体に一度感染することで体の中につくられ、その病原体のみを攻撃します。
同じウイルスや細菌による風邪ならもう一度かかることはなくなる、というような身体の反応ですね。


免疫力が弱くなるというのは、何らかの原因により、これらの身体のシステムがうまく働かなくなるということでしょう。


免疫ができても何度も風邪をひくのはなぜ?

風邪を引いたら抵抗力ができて、もう一度同じウイルスによる風邪は引かない。
だとしたら、ひと冬に何度も風邪を引いたりするのは、たくさんの種類のウイルス(または細菌)がいることになりそうです。
実際にその数は多く、ウイルスの種類は、ライノ、インフルエンザ、コロナ、アデノなどがあって、さらに各ウイルスに数多くの種類があるといいます。(風邪の代表格のライノウイルスは数百種類あるそうてす:<参考>横浜市衛生研究所
ウイルスや細菌も必死ですから、変異して強くなったりします。人体の免疫力とウイルスの戦いは終わることはないようです。


運動と免疫

では、運動と免疫力の関係はどうなっているのでしょうか?
運動と風邪の関係についてですが、軽い運動は風邪にかかりにくくし、激しい運動はかかりやすくしてしまうようです。

運動と風邪のひき易さには関係があることが科学的に証明されています。まったく運動をしない状態に比べて、「ほどほどの運動」をすると風邪をひきにくくなります。「風邪をひかないように体を鍛えよう」というのは本当なのです。ところが、さらに運動の量や強度を増やしていくと、逆に風邪をひき易くなって、結局、運動をしない状態よりもかえって風邪をひき易くなってしまいます。
適度な運動は免疫力を高めるというのはよく言われますから、これについては予想通りです。
毎日30分歩いたりするのは、やはり健康によいそうです。


ランナーの免疫力

さて、ここからがマラソンランナーの問題になります。
フルマラソンをした後には、免疫力はどうなるのか?

激しいトレーニングをしているアスリートは、普通の人よりカゼなどの感染症にかかる頻度が数倍も高いことがわかっている。例えばフルマラソンをすると、競技終了から2週間以内に選手の5~7割にカゼの症状が出るという報告もあるほど。これは過酷な運動によって免疫力が低下するのが原因

まあ、フルマラソンは激しい運動だと思いますから、免疫力が下がって当然ですね。
しかし、「フルマラソン後2週間以内に、選手の5~7割にカゼの症状が出る」というのはすごい結果です。本当でしょうか?衝撃です(笑)

実際のところ、私がこのまえに風邪を引いたときは、ケガをして運動不足だったのに無理して30km走などをやった後です。私自身、「免疫力落ち」を身をもって証明しました。


激しい運動と免疫力の関係

では、なぜ激しい運動をすると免疫力が落ちるのでしょうか?

激しい運動をすると筋肉が損傷し、それを修復しようとして免疫細胞が働く。この結果、腫れや痛みといった炎症が起こる。だが、日常的に過酷なトレーニングを続けていると、体はなるべく炎症を起こさないように免疫反応を抑えるようになる。こうして、感染症に弱い状態が生じる(「意外に知られていない運動と免疫の関係」日経ウーマンオンライン)

この部分がポイントで激しい運動を何度もすると、筋肉痛や関節痛は日常茶飯事になります。そうすると、炎症がよく起こるものだから、身体が「かなわんなあ」と免疫力を落として炎症が起こりにくくする、というわけです。
人体の神秘というか、すごい仕組みです。


マラソン練習は疲れたら休め!

全然走ったりしない人にとって、30km走は激しい運動でしょうから、ふつうに免疫力が落ちると思います。
しかし、何年もマラソンを続けてよく走るランナーは、長距離を走ることに身体が慣れていて、30km走1本くらいでは風邪は引きません(と、思いたい、笑)。ロング走もやり過ぎないほどほどのところで行うと身体が慣れてきますから、免疫力が上がるのでしょう(たぶん)。

本命レースが近づいてくると、本番で良い結果を出すために、今のように寒波が押し寄せていても、鼻水垂らしながら必死でロング走をしてしまうものです。走らないと体重も増えてしまいます(これが大きな悩み)。
風邪が怖くて激しい運動ができるかっ!」という気持ちもやっぱり必要だと思います。
少しずつ強い負荷をかけていかないと自己ベスト更新はなりません。

そうなると、自分の身体と相談しながら、激しい運動を適度にしていくしかありません
もし疲れを感じたら、無理せずに休みましょう
無理をして風邪を引いたら、その回復には通常の体力回復よりも時間がかかります。

これから本命レースが待っているランナーもたくさんいることでしょう。
栄養と休養に気を使いながら、手洗いを忘れずにトレーニングに励みましょう!




ケガや病気はマラソンにはつきものです。練習やレース本番に影響が出るのは当たり前。
いちいちそれを悔やんでいては前に進めません。

とはいえ、私は今シーズンすでに、フルマラソンを2回棄権しています。
もはやマラソンランナーではなく、マラソンウォッチャーと化している自分に気づきました。
レース参加費はただはないですし、せっかくの練習も、成果を見せる舞台に上がれないのはストレスがたまります。

ということで、今回はそんな状況をうち破るために、風邪とその対策について書いてみたいと思います!!


風邪ってなに?

風邪に負けずに走り続けるためには、何が必要でしょうか?
それは敵を知ること。風邪とは何かを知ることです。
まずは風邪について分析してみようと思います。

「風邪ってなに?」
この質問に、明快な答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか?
私のこれまでの答えは、こんな感じだとおもいます。
「風邪の菌がひとの体に入って、喉や鼻の痛みや、咳・鼻水をひきおこす。
それがひどくなると身体がだるくなって、熱で寝込むこともある」

でも、これって、ほとんどが身体の症状を言っているだけで、敵の正体がよくわかりません。


風邪とは本当は何なんだ?

ネットで調べてみると、こんな説明がありました。

かぜ(急性上気道炎)とは上気道に炎症が起こっている状態のことです。上気道とは鼻やのど、声帯までのことを指します。そのため上気道炎が起こると鼻やのどに症状が出ます。主な原因はウイルスによる感染です。ウイルスには抗生物質(抗菌薬、抗生剤)が効きませんので、ほとんどの場合で使用する意味がありません。水分補給を行って安静にすることが重要です。 かぜに対する検査も必要でないことが多く、検査よりも病気の経過や症状を正しく把握することのほうが大切です。ほとんどの場合で風邪は治療を行わないでも治ります。しかし、症状が強いときは症状を和らげるための治療(解熱薬、咳止め、鼻水止めなど)を行います。高熱が続く場合やのどが痛くて物を食べられない場合は内科・耳鼻科・小児科を受診して下さい
   医療事典のサイトMEDLEY「かぜ(急性上気道炎)」より 


これを読むと3つのことがわかります。

1.主な原因はウイルスによる感染

日常生活では、私たち一般人は「風邪の菌」などと言いますが、風邪の原因のほとんどは、正しくはウイルスです。
その他には、細菌などが風邪の症状を引き起こすこともあるようですが10%程度のようです。

また、風邪が長引いたときは、ウイルスの感染の後に、細菌が2次感染することも多く、黄色い痰が出るときなどは細菌などが原因です。


2.ウイルスには抗生物質(抗菌薬、抗生剤)が効かない

抗生物質が効かないということは、細菌であるピロリ菌を退治するようなやり方ができないということですね。(私はピロリ菌を抗生物質で退治しましたが、その記事はこれ「ピロリ菌除去後のランニングはどうなった?」)

そして、風邪のウイルスを退治するような薬はありません。(一部のインフルエンザに効く薬はあるようです)


3.水分補給を行って安静にすることが大切

私は過去に気合で走って風邪をぶっ飛ばそうとした経験がうまく行きませんでした。
(参考「マラソンタイムは上がっても、風邪は気合だけでは治らなかった話」)
安静が大事なのです。
そして、ほとんどの場合、安静にしてほっておけば自然に治るというのが医学的にも正しいみたいです。
水分補給が大切なのは、風邪のときは脱水になりやすいから。熱で汗をかいたり、食事が満足にとれなかったり、下痢をしたり、風邪の時には水分が不足することが多い。マラソンの水分補給時のように、喉が渇いてからではなく、こまめに補給するほうがよいそうです。


風邪薬って何?

ウイルスをやっつける「風邪の治療薬」はないので安静が大事だとわかりました。
では、市販の風邪薬や病院でもらう治療薬は、一体なんなのでしょうか?
いわゆる風邪薬というのは、ウイルスが引き起こす喉や鼻の痛み、鼻水や痰、せきなどの体の反応をおさえたりするだけのようです。
風邪薬はウイルスを退治するのものではなく、ウイルスが起こす症状を和らげる
そんなもののようです。
市販の風邪薬もそれぞれ成分が違うので、鼻水や咳、のどの痛みなど症状に合ったものを選ぶことが大切です。


最良の治療法「安静」は何のため?

「安静」が一番の治療法であることはよくわかりました。
それに風邪を引いたときは安静にしているのがよいと、昔から言われています。
ほとんどのひとが聞いたことがあると思いますし、安静にして風邪が治った経験をお持ちでしょう。

風邪を引いたら、安静にしていれば勝手に良くなる。
当たり前なので今まで「安静」について考えもしませんでしたが、風邪のときに安静にする最大の理由は、免役の働きを落とさないためのようです。
人間の体がもつ病気と戦う力を最も良い状態に持っていき、風邪の原因となったウイルスと戦ってもらうという戦略ですね。
無理な運動をすると、ウイルスと戦う邪魔になるるようですので注意が必要です。

風邪の治療薬はなくとも、人間には抵抗力が備わっていて、ウイルスが入ってきても対処できるようになっているということでしょう。

栄養と睡眠も重要です。バランスの良い食事を心がけことが体力維持につながりますし、睡眠時は免疫の抗体がたくさん作られます。


風邪のときの運動はどうなの?
 
安静は風邪のときの最大の治療法です。しかし、ランナーとしては困ることがあります。
3日も動かないでいると足腰の筋肉が落ちて走力が弱くなってしまうからです。
安静のほかに、何かよい方法はないのでしょうか?
運動で早く治るのならその方法を知りたい。

いろんなサイトを見て探してみましたが、風邪のときの運動を推奨しているものはかなり少ないです。
しかし、そんな中でこちらの記事「風邪引きの時にした方が良い運動・絶対にしてはいけない運動」(マイナビウーマン)を見つけ「ネックルール」というものを知りました。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど症状が首から上に限られたものであるなら、汗をかくことは一般的に良いとされています。腹痛、吐き気など伴うときはNGです。
  
つまり症状が首から上に限られるときは、ウォーキングやジョギングやヨガなど、軽めの運動ならかえって身体にはよいのだそうです。もっとも個人差があるので注意が必要とは思います。
また、激しい運動は逆効果のようですので気をつけましょう。

少し安心したので、これからは鼻風邪くらいなら、ジムのランニングマシーンで軽いジョギングをしようと思います。


やっぱり風邪の予防が大切

なんだかんだと風邪を引いた後のこと書いてきましたが、風邪を引かないならそれが一番。
予防が大切です。

風邪の予防の基本は、まず手洗いとうがい
ウイルスが感染するのは目と鼻が主で、ウイルスの種類により空気感染(空気中のウイルスを吸い込む)、接触感染(ウイルスがついた手で目や鼻をこすって感染)ど経路が違うようです。
風邪は接触感染が多いため、手洗いは非常に重要になります。アルコールでの除菌は、手のしわまで十分に除菌できないため、石鹸での手洗いの方がより効果が高いそうです。
うがいについては、とくにウイルスにやられたのどの粘膜に、細菌が2次感染するのを防ぐ効果があるようです。

意外なことに、水分補給も風邪の予防になるようです。
鼻やのど、気管などの気道には、線毛というものがびっしりと生えていて、絶えず動きながらウイルスや細菌などを粘液とともに外に押し出しています。線毛が感想するとその活動が弱まってしまい、ウイルスなどに感染しやすくなります。のどを水で潤すことは、線毛の活動を助ける意味で、風邪の予防になるということです。


最後に

今回、自分なりにネットで調べて風邪について書いてみましたが、諸説あり決定打はありません。
結局のところ、風邪の治療薬というものはないので、免疫力を高めるような方法を考えるのが一番のようです。

皆さんの中で、自分が信じている健康法や風邪対策がある方は、根拠があろうがなかろうが、効いていると信じている方法を続けることをお勧めします。
偽の薬でも効いてしまうプラシーボ効果(偽薬効果)というものもありますし、人間の信じる力は強いです。

もし、私のように特に信じる健康法もないときは、この記事では医学的なもののみを調べて書いたつもりですので、ご参考になさってください。

風邪に気をつけて、冬休みのランニング頑張りましょう!

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