なぜ走る? 文化系レベルランニング

東京マラソン2010にたまたま当選してしまった「読書が趣味」の文化系人間。 それ以来、50歳を過ぎた今も、なぜか走り続けています。 走ることにどんな意味があるのか? 「からだ」「こころ」「グッズ」「レース」「本」などから、走ることについて考える、ランニングブログです。

2017年12月

ケガや病気はマラソンにはつきものです。練習やレース本番に影響が出るのは当たり前。
いちいちそれを悔やんでいては前に進めません。

とはいえ、私は今シーズンすでに、フルマラソンを2回棄権しています。
もはやマラソンランナーではなく、マラソンウォッチャーと化している自分に気づきました。
レース参加費はただはないですし、せっかくの練習も、成果を見せる舞台に上がれないのはストレスがたまります。

ということで、今回はそんな状況をうち破るために、風邪とその対策について書いてみたいと思います!!


風邪ってなに?

風邪に負けずに走り続けるためには、何が必要でしょうか?
それは敵を知ること。風邪とは何かを知ることです。
まずは風邪について分析してみようと思います。

「風邪ってなに?」
この質問に、明快な答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか?
私のこれまでの答えは、こんな感じだとおもいます。
「風邪の菌がひとの体に入って、喉や鼻の痛みや、咳・鼻水をひきおこす。
それがひどくなると身体がだるくなって、熱で寝込むこともある」

でも、これって、ほとんどが身体の症状を言っているだけで、敵の正体がよくわかりません。


風邪とは本当は何なんだ?

ネットで調べてみると、こんな説明がありました。

かぜ(急性上気道炎)とは上気道に炎症が起こっている状態のことです。上気道とは鼻やのど、声帯までのことを指します。そのため上気道炎が起こると鼻やのどに症状が出ます。主な原因はウイルスによる感染です。ウイルスには抗生物質(抗菌薬、抗生剤)が効きませんので、ほとんどの場合で使用する意味がありません。水分補給を行って安静にすることが重要です。 かぜに対する検査も必要でないことが多く、検査よりも病気の経過や症状を正しく把握することのほうが大切です。ほとんどの場合で風邪は治療を行わないでも治ります。しかし、症状が強いときは症状を和らげるための治療(解熱薬、咳止め、鼻水止めなど)を行います。高熱が続く場合やのどが痛くて物を食べられない場合は内科・耳鼻科・小児科を受診して下さい
   医療事典のサイトMEDLEY「かぜ(急性上気道炎)」より 


これを読むと3つのことがわかります。

1.主な原因はウイルスによる感染

日常生活では、私たち一般人は「風邪の菌」などと言いますが、風邪の原因のほとんどは、正しくはウイルスです。
その他には、細菌などが風邪の症状を引き起こすこともあるようですが10%程度のようです。

また、風邪が長引いたときは、ウイルスの感染の後に、細菌が2次感染することも多く、黄色い痰が出るときなどは細菌などが原因です。


2.ウイルスには抗生物質(抗菌薬、抗生剤)が効かない

抗生物質が効かないということは、細菌であるピロリ菌を退治するようなやり方ができないということですね。(私はピロリ菌を抗生物質で退治しましたが、その記事はこれ「ピロリ菌除去後のランニングはどうなった?」)

そして、風邪のウイルスを退治するような薬はありません。(一部のインフルエンザに効く薬はあるようです)


3.水分補給を行って安静にすることが大切

私は過去に気合で走って風邪をぶっ飛ばそうとした経験がうまく行きませんでした。
(参考「マラソンタイムは上がっても、風邪は気合だけでは治らなかった話」)
安静が大事なのです。
そして、ほとんどの場合、安静にしてほっておけば自然に治るというのが医学的にも正しいみたいです。
水分補給が大切なのは、風邪のときは脱水になりやすいから。熱で汗をかいたり、食事が満足にとれなかったり、下痢をしたり、風邪の時には水分が不足することが多い。マラソンの水分補給時のように、喉が渇いてからではなく、こまめに補給するほうがよいそうです。


風邪薬って何?

ウイルスをやっつける「風邪の治療薬」はないので安静が大事だとわかりました。
では、市販の風邪薬や病院でもらう治療薬は、一体なんなのでしょうか?
いわゆる風邪薬というのは、ウイルスが引き起こす喉や鼻の痛み、鼻水や痰、せきなどの体の反応をおさえたりするだけのようです。
風邪薬はウイルスを退治するのものではなく、ウイルスが起こす症状を和らげる
そんなもののようです。
市販の風邪薬もそれぞれ成分が違うので、鼻水や咳、のどの痛みなど症状に合ったものを選ぶことが大切です。


最良の治療法「安静」は何のため?

「安静」が一番の治療法であることはよくわかりました。
それに風邪を引いたときは安静にしているのがよいと、昔から言われています。
ほとんどのひとが聞いたことがあると思いますし、安静にして風邪が治った経験をお持ちでしょう。

風邪を引いたら、安静にしていれば勝手に良くなる。
当たり前なので今まで「安静」について考えもしませんでしたが、風邪のときに安静にする最大の理由は、免役の働きを落とさないためのようです。
人間の体がもつ病気と戦う力を最も良い状態に持っていき、風邪の原因となったウイルスと戦ってもらうという戦略ですね。
無理な運動をすると、ウイルスと戦う邪魔になるるようですので注意が必要です。

風邪の治療薬はなくとも、人間には抵抗力が備わっていて、ウイルスが入ってきても対処できるようになっているということでしょう。

栄養と睡眠も重要です。バランスの良い食事を心がけことが体力維持につながりますし、睡眠時は免疫の抗体がたくさん作られます。


風邪のときの運動はどうなの?
 
安静は風邪のときの最大の治療法です。しかし、ランナーとしては困ることがあります。
3日も動かないでいると足腰の筋肉が落ちて走力が弱くなってしまうからです。
安静のほかに、何かよい方法はないのでしょうか?
運動で早く治るのならその方法を知りたい。

いろんなサイトを見て探してみましたが、風邪のときの運動を推奨しているものはかなり少ないです。
しかし、そんな中でこちらの記事「風邪引きの時にした方が良い運動・絶対にしてはいけない運動」(マイナビウーマン)を見つけ「ネックルール」というものを知りました。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりなど症状が首から上に限られたものであるなら、汗をかくことは一般的に良いとされています。腹痛、吐き気など伴うときはNGです。
  
つまり症状が首から上に限られるときは、ウォーキングやジョギングやヨガなど、軽めの運動ならかえって身体にはよいのだそうです。もっとも個人差があるので注意が必要とは思います。
また、激しい運動は逆効果のようですので気をつけましょう。

少し安心したので、これからは鼻風邪くらいなら、ジムのランニングマシーンで軽いジョギングをしようと思います。


やっぱり風邪の予防が大切

なんだかんだと風邪を引いた後のこと書いてきましたが、風邪を引かないならそれが一番。
予防が大切です。

風邪の予防の基本は、まず手洗いとうがい
ウイルスが感染するのは目と鼻が主で、ウイルスの種類により空気感染(空気中のウイルスを吸い込む)、接触感染(ウイルスがついた手で目や鼻をこすって感染)ど経路が違うようです。
風邪は接触感染が多いため、手洗いは非常に重要になります。アルコールでの除菌は、手のしわまで十分に除菌できないため、石鹸での手洗いの方がより効果が高いそうです。
うがいについては、とくにウイルスにやられたのどの粘膜に、細菌が2次感染するのを防ぐ効果があるようです。

意外なことに、水分補給も風邪の予防になるようです。
鼻やのど、気管などの気道には、線毛というものがびっしりと生えていて、絶えず動きながらウイルスや細菌などを粘液とともに外に押し出しています。線毛が感想するとその活動が弱まってしまい、ウイルスなどに感染しやすくなります。のどを水で潤すことは、線毛の活動を助ける意味で、風邪の予防になるということです。


最後に

今回、自分なりにネットで調べて風邪について書いてみましたが、諸説あり決定打はありません。
結局のところ、風邪の治療薬というものはないので、免疫力を高めるような方法を考えるのが一番のようです。

皆さんの中で、自分が信じている健康法や風邪対策がある方は、根拠があろうがなかろうが、効いていると信じている方法を続けることをお勧めします。
偽の薬でも効いてしまうプラシーボ効果(偽薬効果)というものもありますし、人間の信じる力は強いです。

もし、私のように特に信じる健康法もないときは、この記事では医学的なもののみを調べて書いたつもりですので、ご参考になさってください。

風邪に気をつけて、冬休みのランニング頑張りましょう!

先日12月10日(日)に袋井クラウンメロンマラソン2017が開催されました。

この大会に向けて準備をしていたことは前回お伝えしました。が、しかし・・・
実はわたくし、風邪を引いたため、またしても棄権してしまいました。

ところで、私には、出る大会のほとんどを途中でリタイアする友人がいます。彼の話を聞くたびに冷ややかな態度をとっていましたが、出場すらもできない私は何なのか・・・

今回は、当日会場まで行き、そこで棄権することを決めた私の「袋井クラウンメロンマラソン2017」への道のりと観戦記をお送りします。
走れなくてごめんなさい。



厳しいコースに備えていました・・・

今年はケガで出遅れたため、この大会が今シーズン初のフルマラソン(となるはずでした)。
袋井マラソンはアップダウンが押し寄せるタフなコース。これが初戦となるため、十分な備えが必要と考え、ケガが治った11月初めから走り込みを始め、平日の夜はトレッドミルで毎日10kmを走りました。

11月12日に走った「ジュビロ磐田マラソン」(ハーフ)では、記録は1時間40分。ケガによる練習不足で、最後の坂は苦して死にそうでした。走力がかなり落ちていたことをこのレースで実感したため、袋井マラソンの前の週末は、2週続けて坂道練習&30km走を行ないました。走行距離は、1ヵ月で300km近くになっていたと思います。


フルマラソン5日前からの変化

こうして自分なりに練習を重ね、脚には筋肉痛があったものの、復活の手ごたえをある程度感じられるようになっていました。
ところが、大会5日前の火曜日に仕事をしていると、どうも肩こりがひどい。夜になると鼻の奥がツンツンし始めて嫌な予感が・・・
翌水曜日は鼻炎がハッキリと現れて、完全に風邪であることがわかってしました(マイリマシタ)。

風邪のことなどまったく考えずに練習に打ち込んでいました。これは完全な油断・・・
葛根湯や風邪薬を飲み、ランニングもストップして安静にしましたが、風邪はひどくなるばかり。
大会前日の土曜日は最後の望みをユンケルに託し、一気に飲んで早く寝ました。


当日の朝

そして当日朝、目を覚ますとすぐに身体の様子を確かめてみました。
しかし、症状に変化なし。マラソンに出るかどうかは決めかねました。
友人と会場にいく約束をしていたので、とりあえず出かけることにしました。

会場はエコパスタジアム。7時ごろに到着しました。
去年のような強風もなく、気温も低く走りやすそう
しかし、私は鼻水が止まりません。どうしよう・・・

とりあえず、まだ時間があったのでまず参加賞をもらいに行き、食べ物やスポーツ用品のお店をぶらぶらと眺めて様子見。
しかし、鼻水は止まらず、鼻をかみ過ぎて痛い。
よくよく自分の身体と相談してみましたが、42.195kmはとても走れそうにはなく、棄権することに決めました


参加から応援に

参加できないものは仕方がない。「たまには応援もいいものだ」と気持ちを切り替え、友人を見送りました。

やがて9時10分号砲
私はエコパスタジアム駐車場でランナー達が通過するのを待ちました。
スタジアムは目と鼻の先。しかし、なかなかランナーたちが来ません。スタート地点に近くても、コースはぐるっと回るため2km地点の辺りだったようです。

来るはずのランナーがなかなか来ない。風邪の身体に寒さがしみてきます。
真冬の大会で、沿道で応援してくれる人たちやボランティアの方々のことがよくわかりました。私はいつも走るばかりでしたが、大会を見守る人たちのことはあまり真剣には考えていませんでした。
さぞ寒かったことでしょう。ありがたいことです。


ランナーたちを見送る

ようやく、トップのランナーがやってきました。先頭は、ゼッケン1番の地元の快速ランナー山内選手。すでにこの時点で2位以下に50mほど差をつけていましたが、そのまま優勝したようです。

トップ通過後、友人知人のランナーたちを探しました。ランナーの数がだんだんと増えにぎやかになってきましたが、色とりどりのシャツやパンツに目がちかちかして気持ち悪くなってきます。
真剣に探すのは諦めてぼんやり見ていたら、走っている友人から声をかけれました。ハッとして「がんばれ~」と、気の抜けた声を返す始末。応援もまた難しいものだとわかりました(笑)。

そうこうしているうちに、人影もまばらになり、最後尾グループのランナーがやってきました。この辺りになると、目も疲れずじっくりランナーたちを見ることができます。
ずっと世間話をしながら走る女性二人組、ひたすら小刻みなペースを刻む年配の男性、本当にフルマラソンを走るんだろうかという普段着のようなジャージの男性、マラソンを沿道で見るのも面白いと思いました。


ゴールまでの時間は何をする?

地方の大会ですから、大都市のように電車もなく、移動も簡単にはできません。
その後は、寒いし風邪も引いているので、車でランナーが戻ってくるのを待つことにしました
車内は陽が当たって暖かです。のんびりとスマホほいじくってニュースなどを見ていました。

しかし、ランナーたちは寒い中を一生懸命走っているはずです。少し後ろめたい気持ちになりました。が、しかし、ポカポカと心地よく居眠りしてしまい、そんな気持ちもすぐに忘れてしまいました。
昼寝をする日曜日。なんという平和でしょうか。本来ならアップダウンのきついコースをひいこらひいこら言いながら走っていたはずなのに・・・


ランナー達が帰ってきた

会場のお店でから揚げを食べたり、ランニンググッズを見たりして時間をつぶし、車に戻ってスマホをいじっていると残り2km地点にトップのランナーが帰ってくるのが見えました。優勝した山内選手のゴールタイムは2時間24分。見送った時から2時間ほどでスタジアム近くに現れるわけで、やっぱりトップは速い!2時間は、あっという間でした。

車を降りて、すぐに見に行こうかと思いましたが、外は寒い
私の知り合いが戻ってくるのは、早くとも3時間半くらいなので、最低でも1時間は待つことになりそう。4時間半くらいでゴールする仲間も待つとなると、寒い中2時間近くも立つことになります。もう少し車の中で観戦することにしました。(許せ、ランナーたちよ)

車から見えるランナーたちは遠く、その姿はとても小さく見えます。表情や息づかいはわかりません。それでもランナー達が見せるフォームは味わい深いものがあって、それぞれが個性のある走りをしています。

美しいフォームの者が必ずしも速いわけではなく、やや変則的なフォームで追い抜く選手もいます。これは、サブ3グループでも、最後尾グループでも変わりありません。それでも、トップグループともなるとあまり変則的なフォームは多くないよう気がしました。


3時間半

レースは9時10分にスタートしたので、3時間で走るランナーは12時10分にゴールします。
3時間半のランナーたちは12時40分にゴールするので、12時15分くらいから残り2km地点に立ちました。
この時間(12時15分)に残り2kmを通るランナーたちは、3時間15分くらいでゴールするはずです。
この大会でその記録がだせるランナーは、私よりもずっと速い快速ランナーたちです。
しかし、私が見たランナー達は、あまりスピード感がありませんでした。
つまり、40km走ったランナー達は、速い人たちでも疲労してスピードが出ないのです。
高低差が大きいこの大会ではなおさらです。しかも残り2kmからは最後の登り坂が待っていてスピードが上がるはずがない。
大変なレースだなあ、と実感したわけです。自分で走っているときは、必死なのでどんなにゆっくりに見えるかなんて考えもしませんでした・・・

そんなことを考えながら、何人かの友人知人たちに声援を送り、風邪で棄権した私のレース観戦は終わったのでした。


ゴール後のランナーたちを見て

友人が着替えるのを待っている間、ゴールした人たちが続々と私の前を通り過ぎました。疲れ切った表情の人や、笑顔の人、仲間とレースを振り返る人など、色んな姿がありました。

レースを終えた人たちの中にいて思ったのは、「完走したからこそ、いや出場したからこそ、自分の走りについて何かを思うことができる」ということでした。つまり、レースに出ずに棄権すると、その大会についての走りの記憶はゼロ。会場で走り終えたランナーたちをみて、そのことがよくわかりました。

今回は、出場するはずのレースの応援をすることで学んだことがありました。しかし、フルマラソンの棄権が今期すでに2度目。事態は深刻です。今シーズンも自己ベストを狙うつもりでいますので、現状を考えると危機感がつのります。
今年はもうレースがないので、何とか負の連鎖を断ち切って、来年のレースには万全の態勢で参加したいと思っています。
どうなることやら・・・

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