なぜ走る? 文化系レベルランニング

東京マラソン2010にたまたま当選してしまった「読書が趣味」の文化系人間。 それ以来、50歳を過ぎた今も、なぜか走り続けています。 走ることにどんな意味があるのか? 「からだ」「こころ」「グッズ」「レース」「本」などから、走ることについて考える、ランニングブログです。

2017年11月

ケガから復帰して初めて参加した「ジュビロ磐田マラソン2017」(11月12日開催、前回記事参照)は、完走が目標でした。
しかし、どう考えてもシーズン初めに思っていたような結果ではありませんでした。
正直言って、この時期にこのタイムはまずいです。
この重い結果を受けて、レース一週間後となる先週の土曜日に、久しぶりの30km走を行ってみました。


レースで見つかった課題

ジュビロマラソンを走り終えて、みつかった課題は「スタミナ不足」と「登り坂」でした。
スタミナ不足については、ケガによる走り込み不足のため想定内。より大きな問題は、得意だったはずの登り坂で全然登れなかったことでした。

私はどちらかと言えば坂を登るのは得意な方で、レースでは同じくらいのペースで走っているランナーを登り坂で抜くことがよくあります。その後に下り坂があると抜き返されたりしますが・・・
得意なはずの登りがきつくて、抜くどころか後ろから来たランナーに抜かれていく始末。

もちろんどちらも走り込み不足が原因で起こったことですが、登り坂での出来事には考えさせられました。これはどうにかしなければなりません。


(30km+坂道)練習

坂道が不得意になった今やるべきことははっきりしています。それはもちろん坂道練習
「走り込み不足」を補うべく走り込みも行う必要があります。

ということで、必要な練習は何かと考えると自然と答えがでました。

坂道練習+ロング走

ところで、私には「袋井クラウンメロンマラソン2017」が12月10日に控えています。
この袋井マラソンというのが、なかなかキツいレースでして、フルマラソンに坂道がふんだんに盛り込まれています。
登り坂に下り坂。なかなか足にキマス。
12月の初めという時季もまた微妙で、近年の温暖化の影響で気温が12月にしては高めであることが多く、私のような汗かきにはつらいものがあります。

このフルマラソンへの準備としても、坂道+ロング走が必要でした。
とは言うものの、ケガから復帰してから、まだ42.195kmはおろか30kmも走ったことがありません。
本当は、レース3週間前に40km走っておきたかったのですが、30kmにおさえておくことにしました。


練習日の朝、突然の寒さ

練習日となる土曜日の朝。寒さは突然やってきました。
温暖化で金曜日の朝ぐらいまでは、寒さはそれほどでもないような気がしていましたが、
突然寒さがやってきました。
この寒さが、練習をするにあたってランナーに困難をもたらします。

私はしばらく走っていなかったため、朝早く起きて走る習慣を失っていました
しかもこの時期、夏と比べて夜明けが遅く、まだ外が暗い中で支度するのは心理的にもつらいものです。
気持ちの切り替えが大事です。

この時は5時半に起きました。部屋が寒い上に暗い。
そのまま寝つづけよう・・・とふたたび目を閉じました。が、そうはいきません!
私には、前回レースの反省と次回のレースへの危機感があったのです。

練習をしないと、どう考えても袋井マラソンは辛いばかりのレースになることが想像できます。
思い起こせば、もう8年。
ずっと走り続けてきましたが、練習不足で何回レースで歩いたことか・・・

何とか思いとどまり、目をこじ開けて、明かりをつけて支度にかかりました。


意外といけた30km+坂道

6時半頃に家を出発して、7時半ごろから練習をスタートしました。
コースは久しぶりのアップダウンたっぷりの森林コース。

シューズは練習用のミズノの「イダテン」。
長い距離を走ると練習用シューズといえど傷みます。
イダテンはだいぶ昔に買ったもので、靴底がかなりやられています。これを練習のメインシューズとして使い、履きつぶしてしまおうという魂胆です。

さて、走り出してみますと、意外やイガイ。思ったよりも身体が動く。
そういえば、この間のジュビロマラソンは、ケガ復帰後のどんな練習よりも負荷が大きなものでした。
ハーフマラソンは、そこそこのスピードで走ったので身体にキレが出た?

ペースはだいたいキロ6~7分程度。決して速いペースではありませんでしたが、アップダウンの激しいコースで走ったことは、平坦なコースの2割増しくらいの効果はあると勝手に信じています。

今回は思ったよりも簡単に走れました。
終わったあとの筋肉痛もほとんどありません。
故障前に行っていた筋トレとヨガが効いた?
理由はハッキリしませんが、身体が意外と動いたので途中でやめることなく坂道コース30km走を終えることができました。


まとめ:練習のためのモチベーションを

ランニングで成果を出すには練習しかありません
そして練習にとりかかり、予定通りに終わらせるにはモチベーションが欠かせません

ランニングをする理由は人それぞれ。それぞれのランナーがそれぞれのモチベーションをもっているでしょう。

私の場合は、レースに参加することが一番の走りのモチベーションとなっています
おそらく多くのランナーにとっても、レースに向けて取り組むことがランニングを続ける理由になっていると思います。

ランニングが続かない人は、一度レースに参加することをお勧めします。
出場予定のレースがあれば、自然に練習をするようになります。
レースを終えれば、今度はいろんな気づきや反省があり、その後の練習にも意味を見出せます。

今回は、練習内容よりも、久しぶりの練習に向かうためのモチベーションについて考えさせられることになりました。


今シーズン(5月ごろまで)のレースは、エントリー可能な大会がまだまだあります。
走ることに興味があるけど走る気にならないという人は、一度レースに参加してみてはいかがでしょう?


ケガがようやく治り、先週末から走れるようになりました。
11月3日からの3連休は外を走り、計50km。その後の平日はトレッドミルに乗って毎日10km走り、今月の走行距離は、11月13日現在すでに130kmに達しました。
こうして、距離的には完全復活をとげた私は、先週末のジュビロ磐田マラソンに参加することができました。
今回は、レースの様子をご報告します。


ついに今シーズンの初戦

前回の記事で書きましたが、10月29日に開催された大雨の「しまだ大井川マラソン2017」は、私は棄権しました。この島田マラソンが今シーズン初戦となるはずでしたが、ケガのために計画が完全に狂いました。

ようやくケガが治り、ランニングを再開して1週間。
ジュビロマラソンまでに走り込んだ距離は100km近くですが、脚力の回復に自信があったわけではありません。
完走はできそうな感触はありましたが、レース参加は半年ぶり。
とりあえず今回の最低限の目標は「完走」と決めて、出場することにしました。
何はともあれ、走れてよかった。


レース前夜のシューズ選び

レース前夜、遠州地方には強風が吹き荒れていました。
床についてからは、うなる風音に翌日が不安になりましたが、意外とすぐに眠れました。
ケガで精神が鍛えられたのかもしれません。

悩んだのはシューズです。
今までは、ウェーブエンペラーとターサージールが、ハーフマラソンの定番でした。
しかし、今回はケガ明けのレース。脚の状態は、これまでと同じではありません。
練習不足もあるため、そこそこ安定していてクッション性もある2種類を考えました。

ウェーブエンペラーTRライトレーサーTS5です。

クッション性は、ライトレーサーTS5の方がウェーブエンペラーTRよりもあります。しかし、TS5はサイズがやや大きいため、レース中の靴擦れが心配でした。今回はハーフマラソンということもあり、キロ4分でもしっかり走れるウェーブエンペラーTRを使用することに決めました。


レース当日、朝

いよいよレース当日、朝は5時に起きました。
思えば、前回参加したレースは、3月末の豊橋ハーフマラソン2017です。すでに半年以上レースに出ていません・・・
時間とは怖いもので、レース当日朝に「何をしたらよいかわからない!?」という状態におちいりました(笑)

ハーフマラソンの場合は、レース前の食事やレース中のサプリなどには、そんなに気をつかう必要がありません。しかし、あまりにも長くレースから遠ざかっていたため、持ち物に迷って時間がかかり、自宅出発の予定時刻を過ぎてしまいました。

焦って家を出て、自転車を立ちこぎして仲間との集合場所に到着。彼の車に乗せてもらい、会場となる磐田市のヤマハスタジアムを目指しました。


スタート前は不安がいっぱい

現地には、予定の時間の7時30分に到着。
まずは参加賞を引き換えにいき、車に戻って着替えをしました。

マラソン大会では、車があるととても便利です。温かい車内で着替えや時間待ちをすることができます。ただし、すべてのマラソン大会に駐車場があるわけではありません。今回は、すでに何度も参加して、勝手をよく知る地元の大会なので、十分に車を活用することができたというわけです。

ハーフマラソンのスタート時間は、9時20分
着替えを済ませて、8時半ごろ軽くアップをしながらトイレに行きました。
久しぶりのレースはたとえハーフマラソンであっても緊張します。

走り込み不足によるスタミナ切れや、治ったばかりのケガのトラブルも心配になりました。
さらには、靴ひもの締め具合までも気になり・・・
ケガによる休養明けのレースは不安がいっぱいです(笑)


そして、スタート!

スタートの15分ほど前にスタート地点に向かいました。
私は申告タイムを1時間30分としていたため、スタートはAグループでした。
ランナーを見渡すと、Aグループは皆さん立派なふくらはぎをお持ちです。
何というか、屈強な戦士です。
さらに自信を失くした私は、Aグループの最後尾に並びました。

並んでいると、どこからか時計のデジタル音が・・・。
ハッ、と気づいてランニングウォッチのボタンを押しました。
昔はスイッチを入れ忘れて、スタートにGPSが間に合わなかったなんてこともよくありました。最近はGPSのスイッチには慣れていたつもりだったのですが、半年のブランクとは恐ろしいものです。

そして9時20分号砲。ランナーは一斉にスタートしました。
私は周りの走りにつられて動き出したものの、完走できるか不安もピークに達していました。


START~5km

ペースはキロ5分、ゴールタイム1時間45分を目安にして走り出しました。
ケガからの復帰第一戦。久しぶりのレースです。オジサンなりにちょっと感動しました。

しばらく走ると、のんびりランナーたちに遭遇し、行く手を何度もブロックされました。
のんびりランナーをかわすうちに、少しずつ闘争心が目覚めてきます。
1km地点のタイムは4分30秒
当初予定していたキロ5分ペースと比べると、ずいぶん早いペースです。
少し落ち着こうと、キロ4分40秒ぐらいまで落とすことにしました。

ジュビロマラソンのコースは、3kmまでは小さなアップダウンがけっこうあります。
上り坂は、走り込み不足でけっこうキツイ
下り坂は、ケガをしていた右足指への衝撃が気になる

同じペースで4km地点を通過すると、段々と身体が重くなってきます。
そして、5km地点を通過するとハッキリと認識しました。

「今日はペースが上がらない!」


5km~11km

5kmを過ぎてからは、ペースが自然とキロ4分44秒まで落ちました
もう少し上げれたかもしれませんが、残りの16kmを考えるとそれ以上速く走る気は起きません。
それに、やはり身体が重い
正直なところ、ハーフマラソンで10km走らないうちにこんなに疲れたのは、何年前になるのか覚えていないほどでした。

普段なら、だいたい同じペースのひとを探して付いていきます。
しかし、今回は周りをみる余裕がほとんどありませんでした。

シューズは快調でした。
4分44秒では足にもあまり負担がかからないらしく、靴擦れの兆候もありません。
さすがはウェーブエンペラーTR、安定感があります

そんなこんなで、ずっと同じペースで11kmすぎのJA給水ポイントまでたどりつき、この大会の名物のひとつとなっている磐田産ライオンメロン(←強そう)をいただきました。(甘くて美味しかったです。ありがとうございます)ちなみに、このメロンは数量限定で、私の知り合いが通過したときにはすでに「売り切れ」状態だったそうです。今年食べられなかった人は、来年食べられるように頑張って練習しましょう。モチベーションになりますね。


11km~19km

メロンをいただいた後は、残り半分を同じペースで走り切ろうとがんばりました。
身体は疲れを感じてきましたが、幸い気温が例年よりも低く、脱水でバテてしまうということはありません。

ジュビロマラソン名物の幼稚園児たちと「ロータッチ」(ハイタッチのこと)は、例年けっこう楽しく行うのですが、今年ばかりはまったく余裕がないので、子供たちに視線を向けもせずに鉄面皮で走り抜けました。ちびっ子たち、ごめん。

途中、太陽が顔を出し、気温も少し高くなったので、どうなるかと思いましたが、身体の方は異常ないし。
そして、JRの高架をくぐり、左に曲がると残りは約2km
何とかこのまま行けそう、と少し気が楽になりました。


19km~20km

しかし!、最後の2kmで安心してはいけないのが、このジュビロマラソン。
ここから、のぼり坂が始まるのです。

それまでフラットなところをずっと4分44秒で走ってきました。
正直なところ、後半はペースを維持するためにすこし無理をしていました。
そんな状態で、実際に坂を見た時の気持ちを表すとするなら、地獄!」です。
「ケガから復帰したばかりの自分を、レース終盤になぜこんなに登らせるのか」と恨み節を心でつぶやきました。もちろん私のケガから復帰第一戦のことなど、主催者が知る由もありません。

この坂は確かにつらい。しかし、残りは2km切っている。
残り2kmということは、あと少し頑張れば終わり。ハーフマラソン以上の距離のどんな大会でも、残り2kmを過ぎると勇気が出てきます。
このアメとムチの葛藤がこの大会の19kmからののぼり坂の特色です。

さて、坂道を走ると、とにかくツライ
今まで何度となくこの坂を上りましたが、今年がこれまでで一番キツイ。
今年は坂道練習ができませんでした。いつもの坂道練習がいかに効果的であったのかがよくわかりました。(のぼり坂が苦手のランナーの皆さん、坂道を上る練習をすれば必ず克服できますので、頑張って登りの練習をしましょう)

そんなに長い坂道ではないのですが、登り切ると息はゼエゼエ。
それでもなんとかペースを落とさないように頑張りました。
忍耐です。まわりのランナーは誰も歩いていません。
修行です。まわりのランナーは普段から厳しい修行を積んでいるのかもしれません(私は修行をさぼりました)。


1km~GOAL!

そして、残り1km
みんな考えることは同じ。
少しでもタイムを縮め、少しでも早くゴールしようと必死の形相になります。
ひたすら、ひたすら、脚を動かします。
やっとのことで、会場にたどりつくと、大きな声援が聞こえてます。
無事帰ってこれた・・・

最後の直線は脚が全然前に出ませんでしたが、100m走をしている気持ちで走りゴールラインをかけぬけました。

記録は1時間40分。


まとめ

復帰第一戦、そしてシーズン初戦となったジュビロマラソンはこうして無事完走となりました。
ケガによる練習不足の影響は思ったよりも大きく、身体が重く感じて仕方がありませんでした。
キロ4分44秒というのは、フルマラソンのペースです。
静岡マラソン2017」では、だいたい同じくらいのペースで42.195kmを走り切ったのかと思うと、ちょっと目まいがしてきました。
2月の自分はすごかった。ちょっと尊敬しています。
1日も早く、同じ状態までコンディションを上げるよう走り込みたいと思います!

ちなみに、ジュビロマラソンでは今年も300円分のお買い物クーポン券がついていて、これを利用して今回は「わらびもち」を買って食べました。冷たくて、美味しかったです。

次のロードレースは、「袋井クラウンメロンマラソン2017」。こちらはフルマラソンです(2016年の記事はこちら)。また不安な気持ちになりそうです。

↑このページのトップヘ