なぜ走る? 文化系レベルランニング

東京マラソン2010にたまたま当選してしまった「読書が趣味」の文化系人間。 それ以来、50歳を過ぎた今も、なぜか走り続けています。 走ることにどんな意味があるのか? 「からだ」「こころ」「グッズ」「レース」「本」などから、走ることについて考える、ランニングブログです。

2017年02月

私は外を走ることが好きです。
ランニングマシーンにもよくお世話になっていますが、天気や気候、街並みの変化が感じられる屋外を走るほうがやはり楽しい。
春や秋は穏やかで心地よい一方、夏や冬は暑さ寒さが厳しく、自分のしていることに疑問に感じることもありますが・・・

走ることが習慣化され、距離が伸びてくると、河川敷や堤防を走ることが増えてきます。川の周りには信号が少なく、遊歩道が整備されていることも多いからです。どんな大都市にもだいたい大きな川があり、川に沿ってはしるコースはランニングの定番ではないかと思います。

普段の生活では、私が外に出て目にするものは、看板やショーウィンドウや道路標識などの記号、人間や自動車、足元の障害物、自然の木々や草花など、半径30m内にあるものです。

ランニングの時は、川の堤防を走ると、一気に視界が開けます。
そして「空」が見えます。

東京に住んでいたころは、スーパーやコンビニの他に、個性的な飲食店や商店があり、どこを走っても刺激が多く楽しかった反面、視界は人工物にさえぎられていました。

"智恵子は東京に空が無いといふ
ほんとの空が見たいといふ・・・"
 
むかし学校で習ったこんな詩を思い出したものです。
(「智恵子抄」高村光太郎)

東京時代は、よく荒川の河川敷を走りました。
「東京にも空があった」と感動したものです。

河川敷にくると、空を見上げるとこも多くなります。
大きな空を見上げることは、精神的にもいいらしいです。
私がランニングを勧めたい理由の一つがこれです。

電車や自動車に乗って会社に行き、屋内で1日を過ごし、帰りは夜になっている。こういう生活では、大きな青空を見ることは多くはないでしょう。

ランニングでなくてもよいですが、週に1度くらいは視界の開けた場所に出てみると気分が変わります。ふと、顔をすこし上げた瞬間に大きな空が広がっていることに気づきます。
日常生活とのギャップが、よい刺激になります。いかがでしょうか。


私はマラソンをするようになって、めったに風邪を引かなくなりました。
そうは言っても、走り過ぎて免疫力が落ちて風邪を引くことがあります。
そして、実際に約2週間前に風邪をひきました。
今年の冬、初めてです。

風邪は症状は、昨日ようやく完全に収まりました。
普通の風邪はだいたい1週間もすれば完治しますね。
でも、今回とても長引いてしまいました。その理由についてお話しします


ランナーっぽく感じてしまった人間の過信 

ランニングを始めてある程度走れるようになった人は、自分の身体に自信がついてきます。
風邪など引かなくなるので、風邪を引かないような人間であると思えてきます。
そして実際に風邪を引きにくくなってくると、昔やっていた風邪の対処法が記憶から消えていきます。
かつては無理をせず休養と栄養を十分にとって治していたはずですが、いつの間にか、自分とは無関係に思えてきます。

マラソンランナーは、月間走行距離が100kmを超えてくるとレースのタイムも上がってきて、自分の身体に自信にもつようになるでしょう。
自分は体をよく鍛えているランナー。
こんなナルシスティックなイメージから、風邪くらい簡単に治るのではないか、と安易に考えた行動に出やすくなるのではないでしょうか(少なくとも私はそうでした)。
健康に自信を持っていた私は今回、「気合で風邪をとばしてしまう」という方法で風邪を治してやろうと考えました。


走って風邪をふっ飛ばしたい

簡単にいうと、気合で走って汗でもかけば、風邪の菌など体から消えてしまうだろうと考えました。具体的には、トレッドミルで10kmほどハイペースで走ってみました。

結果はというと、風邪がぶり返しました。

治りかけの時に、体から風邪の菌を一掃しようと頑張ったら身体の方が疲弊してしまい、逆に風邪の菌に形勢逆転されてしまったというわけです。

今考えるととても愚かなのですが、その時は静養などという考えはほとんど頭にありませんでした。走ることに信頼を置きすぎて、視野が狭くなっていました
何かに囚われてしまうと、自分が見えなくなってしまう典型ですね。


レースがたくさんある時期は注意

もっとも、こういう無茶なことをしたのには、この時期特有の理由があります。2月、3月にはレースがたくさん控えているのです。(ランナーが風邪を引きやすい時期は他にもあります。→こちら
私の場合は本命レースが1週間後に迫っています。練習の計画も立てていますから、普通の風邪で練習を抑えるのは勇気がいります。そこから、練習ついでに風邪を退治して気合で乗り切ってしまおうと一石二鳥を狙いにいきました
そして奇跡は起こらなかった・・・

やはり風邪には、十分な栄養と、特にランナーは休養が大切です。
ケガの時もそうですが、無理をすると、かなりの確率で長引きます。
皆さんもお気を付けください。


ちなみに、私は風邪のときにはこの3つです。